城南区田島のとうじょう内科・循環器クリニック

不整脈専門医です

不整脈とは?

不整脈とはどういう状態を指すのか、ということから、ご説明いたします。

不整脈は、脈の打ち方がおかしくなることを意味します。この中には異常に速い脈(頻脈)や遅い脈(徐脈)も含まれます。
皆さんが初めて不整脈に気づかれるのは、ドキドキ動悸(どうき)がしたり、脈をとってみると、どうも異常に遅かったり、逆に速すぎたり、または飛んだり、不規則になったりしている時が多いのではないかと思います。

また、自分ではまったく気がつかないのに、病院で心電図をとると「不整脈が出ています」と言われて、わかる場合もあります。

「脈」とは、心臓から押し出される血液の拍動が血管に伝わって感じられるものです。もし心臓のリズムに異常が起きれば、脈は乱れてしまいます。では、そのリズムは何によってコントロールされているのでしょうか。

心臓は筋肉でできた臓器で、その筋肉にかすかな電気が流れて興奮し、動く仕組みになっています。

例えば、洞結節で電気が発生しない、または別の場所から電気が流れてしまうと、心臓が規則正しく興奮しなくなります。つまり、不整脈は心臓に流れる電気の異常や刺激が伝導路をうまく伝わらないことを意味します。

説明する人

症状はいろいろ

脈が乱れたからといって常に症状があるわけでなく、むしろそれに気づかない場合が多いようです。ただし、程度がひどくなれば自覚するようになります。

まず、脈が極端に遅くなり、数秒以上、脈がとぎれるようになると、ふうっとなったり、めまいがしたり、ひどい場合は意識がなくなって倒れたりします。また、脈の遅い状態が続くと、体を動かす時に息切れするようになります。

反対に、脈が速くなるとドキドキと動悸がし、さらに脈が速くなると心臓が十分な血液を送り出せなくなって、吐き気や冷や汗、意識が遠くなる症状が出てきます。

期外収縮は症状のない場合が多いのですが、症状の出る場合は、脈の飛ぶ感じや、胸部の不快感、きゅっとする胸の痛みとして感じます。ただし、この時の痛みは胸の狭い範囲で起こり、しかも一瞬または数十秒以内でおさまるのが特徴です。

胸痛があると、狭心症や心筋梗塞ではないかと心配になりますが、それらの痛みはもっと長く続きます。期外収縮による胸痛は、脈をとれば飛んでいることから判断できます。

脈が飛んでいるのを、心臓が止まっているためと誤解されている方が案外、多いようです。

弱る人
期外収縮では、本来のリズムより早めに刺激が出て心臓が動くため、1回の拍動で十分に血液を送れないのです。そのため、実際は心臓が動いているのに、拍動で生じた圧力は弱く、脈として感じられないので、脈が飛んだように思えるのです。

脈が遅くなる時も、脈が飛ぶことがあります。2つに1つ、3つに1つといったように、規則的に脈が飛ぶときは、まず期外収縮が起きているとみてよいでしょう。

不整脈の検査方法

普通の心電図検査を中心に、胸部X線、血液検査、さらにホルター心電図、運動負荷心電図、心臓超音波検査などによって行います。

ホルター心電図は、携帯式の小型の心電計をつけたまま帰宅してもらい、体を動かしている時や、寝ている時に心電図がどう変化するかをみる検査です。

不整脈の数がどれくらいあるか、危険な不整脈はないか、症状との関係はどうか、狭心症は出ていないか、などがわかります。

運動負荷検査は、階段を上り下りしたり、ベルトの上を歩いたり、自転車をこいでもらったりするものです。運動によって不整脈がどのように変わるか、狭心症が出るかどうかをチェックします。

心臓超音波検査は、心臓の形態や動きをみるもので、心臓に病気があるかどうかが診断できます。

心エコー検査と運動負荷検査で異常がなく、ホルター心電図で危険なタイプでなければ、いくら不整脈が数多く出ても、まず心配する必要はないのです。

携帯型の心電計を使用します。非常に軽い小型のテープレコーダーについた電極を胸につけたまま帰宅し、24時間の心電図を記録できます。